研究課題/領域番号 |
26590056
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
後藤 健太 関西大学, 経済学部, 教授 (70454981)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | グローバル・バリュー・チェーン / 国際経済 / 産業発展 |
研究実績の概要 |
平成26年度は文献研究を中心に、課題設定の精緻化を目指してきた。具体的には現在の多国籍企業を中心とした国際経済ネットワークの生成と展開に関する研究史の整理に努めた。 平成26年度はオーストラリアでの在外研究の機会を得ていたため、同国内における関連する学会に積極的に参加し、またセミナーなどにおいて問題関心と暫定的な分析内容についての発表を行ってきた。そのため、予定していたオランダおよびイギリスでの公文書館での文献調査は実施できなかったが、これらについては今年度に実施予定である。 また平成26年度は、研究課題の分析手法であるGVCフレームワークを用いたいくつかの研究成果を発表してきた。具体的な成果としては、GVC関連の論文1本を公刊予定である(現在校正中)。 なお、オーストラリアで発表したものは、同年度に実施した文献レビューとこれまでの研究の成果を踏まえたものであるが、現在これについても論文としてまとめている最中である。この論文については、今年度中に国内外の関連学会で発表し、いずれは国際学術誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は在外研究でオーストラリアに滞在していたこともあり、同国で本研究課題の展開に資する学会や研究会に参加し、発表してきた。そのため、当初予定していたイギリスおよびオランダの公文書館における文献調査は実施しなかったが、それらは今年度に実施予定である。その点では当初の計画から若干の変更があるが、その分研究計画を精緻化にフォーカスすることができた。
上述したように、これまでGVCに関連する論文を1本公刊予定であり、さらにこれまでの文献レビューの結論をまとめる作業の一環として、現在新たな論文を作成している最中であるが、同論文は今年度中に関連する国内外の学会で発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、平成26年度の文献レビューに基づいた論文(英文)を作成中であるが、この内容は今年度中に国内外の関連学会で発表する予定である。今後はこの論文を軸に、同研究課題を展開していく予定である。
また、イギリスおよびオランダでの公文書館の調査を実施し、これを踏まえて多国籍企業の国際経済秩序形成における役割の変遷に関する考察を実施する方針である。
さらに多国籍企業へのインタビュー調査も実施予定である。これに関連し、現在、国連の多国籍企業関連プロジェクトへの参加を打診されているが、もし同プロジェクトが実現すれば、そこでの調査(インタビューなど)で得た知見を本研究課題に還元する可能性も探っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は在外研究でオーストラリアに滞在しており、予想以上に現地での研究や学会への参加が充実しており、予定していたオランダおよびイギリスへの調査を平成27年度に延期した。もともと予算の大半を両国への国立文書館での調査に充てていたことから、当該年度の予算執行が少なくなり、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度の残高と今年度の直接経費は、8月実施予定のイギリスおよびオランダでの文献調査、さらには2016年2月にイギリス・米国における調査で使用する予定である。
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