本研究は、鉄道関連産業に代表される、海外インフラプロジェクトを対象とした調査を通じて、多文化チームにおける国際知識移転プロセスのメカニズムと課題を明らかにすることを目的とした。本研究が明らかにした点とは、一点目に、海外インフラプロジェクトにおける知識移転のプロセスは、海外インフラプロジェクトに関与するステークホルダーも視野に入れる必要があり、非常に複雑であるという点である。二点目は、その複雑性がゆえ、それらのマネージャーは、組織内だけでなく、ステークホルダーを対象とした文化的多様性に対しても、同時並行的にかつ複合的に管理することが求められるという点である。
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