研究課題/領域番号 |
26590066
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研究機関 | 新潟国際情報大学 |
研究代表者 |
内田 亨 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 教授 (50453460)
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研究分担者 |
マニエー渡邊 レミー 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (00527848)
Benton Caroline 筑波大学, ビジネスサイエンス系(副学長), 副学長 (50520897)
高井 透 日本大学, 商学部, 教授 (60255247)
Orsini Philippe 日本大学, 経済学部, 准教授 (70409093)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 従業員満足 / 主観的幸福 / しあわせ / モデル構築 / フランス |
研究実績の概要 |
今年度は、仕事特性と主観的幸福の関係を調べ、両者の関係においてMediationを発見した。満足度の要因の中でも、仕事の満足度自己達成と仕事の関連性(relatedness)は、仕事特性と主観的幸福との間に強い正のMediationがあることを示した。 これらの結果は、第一に、企業が従業員の幸福を直接育成するために雇用設計のみに頼ることはできないが、仕事特性が職務満足度などの仕事の関連性(relatedness)の成果につながることを保証しなければならないことを示唆している。第二に、少なくとも日本の従業員にとって、主観的な幸福を高めるためには、仕事の満足を育む仕事の設計(Job design) - 自己達成と仕事の関連性に注意を払う必要がある。これらの結果は、仕事の満足度が仕事の設計(Job design)と幸福の関係において中心的な役割を果たすことを示している。 一方、今年度は改めて「幸福」に関して先行研究を渉猟し、学会発表した。幸福の国として有名なブータンでは、物質的な欲求をある程度満たすと同時に、情緒や感情など精神的な充足感も得る戦略が功を奏している。米国の研究では、幸せの選択を惑わす障害として、①数値にこだわる、選択肢が多すぎる、②自分のしたいことがわからない、③幸せをもたらすものへの過度な期待、が明らかになっている。一方、フランスでは、企業の実態として過労死がほとんど起きておらず、労働条件も良いことがわかった。他方、わが国では、社員の幸福創造の主張やワークライフバランスの概念が萌芽していることがうかがわれた。以上、国内外での幸福への再認識の潮流から今後、我々は、①人生の質の追求、②精神的な豊かさを重視する国への価値転換、を追求していくべきである。しかし、発表の場で実務家は、仕事中心の発想でワークライフバランスには、懐疑的意見もあった。こうした議論は今後の課題としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フランスを対象とした定量的調査を実施したが、データ分析ができていません。
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今後の研究の推進方策 |
すでにデータをとっているフランスを対象とした定量的調査をSPSS,AMOSによって分析する。そしてフランスにおける組織の成員の幸福に関する傾向を明らかにする。それをもとに、前年度まで分析した日本のデータを用い、日仏比較を行う。その上でモデル構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査を行わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
フランスへの調査を実施する。
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