本研究では、我が国における研究者のインポスター・シンドロームは、雇用形態により差異が認められないこと、また理系女性よりも文系女性の方がやや強い傾向にあることが明らかになった。また、インポスター・シンドロームは女性研究者・技術者だけに見られるものではなく、男性の中にも経験する者が少なからず存在すること、また理系研究者に関しては男性の方がインポスター・シンドロームを経験する傾向が強いのに対し、文系研究者では女性の方が強いことが示された。さらに、女性研究者と技術者に共通して、インポスター・シンドロームには仕事の多忙さと心理的ディストレスが関係していることが明らかになった。
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