成熟化してゆく地方産業、特に繊維産業を事例に、その業界や地域の中心的な慣習などに支配されていない「外部者」が、新たな取り組みを、なぜ、どのようにして行っているのかを、個々の個人の活動に注目して検討した。 本研究で取り上げた外部者には、特定の地域との関わりに関して言えば、「滞在型」と「巡回型」が存在し、活動内容に関しては、製品企画・開発、生産、販売促進、販売、教育といった様々な領域で、地域内・地域間のネットワーキングを行いながら、従来と異なる活動を展開していることが明らかになった。ただし、全てが成功事例ではない。その成否を分ける要因をさらに探求することは、今後の課題である。
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