日本特有の「フグ・ビジネス」業界にも、東南アジアの日系産業集積地の急成長がアジア市場開拓への期待を誘起している。日系産業集積地の成長に伴い、日本の先進工業力の現地化だけでなく、日本の地場農水産業をも巻き込んで、新市場開拓へ突き動かすような、新しい日本食文化ダイナミズムが生み出されているとの「仮説」を検証した。 検証結果、(1)日本の生鮮魚食材への高い需要にも拘わらず「フグは有毒魚」との意識が巷間やマスコミでも強く、一部の国でフグ限定部位輸入が認められ、需要者は日本でのフグ食経験のある一部富裕層である。(2)輸出拡大には、日本のフグ食品安全衛生制度の輸出対象国官民両面での理解が条件となる。
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