企業活動におけるマーケティングとデザインは共通する要素が多いが、それぞれ異なる領域で発展してきた。近年企業のデザイン戦略やマネジメントの重要性が指摘されるようになり、両者の融合が求められている。本研究では、特に企業が新製品を創出する際のデザイン・プロセスと組織の役割に注目し、企業の国際比較、さらには海外に展開する日本企業とデザイナーとの関係に焦点を当てた調査を行った。その結果、経営者やデザイナーを中心とするクローズドな関係により製品が創出されるプロセスと、それが評価されるオープンな場が複数存在することがわかった。これらの問題を整理し、両者を補完する研究枠組みを構築することが今後の課題である。
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