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2018 年度 実績報告書

日本中世寺院会計史―東寺の会計システムと会計的思考の解明―

研究課題

研究課題/領域番号 26590081
研究機関和歌山大学

研究代表者

三光寺 由実子  和歌山大学, 経済学部, 准教授 (60549301)

研究期間 (年度) 2015-03-01 – 2019-03-31
キーワード会計史 / 東寺 / 光明講方算用状 / Giddens
研究実績の概要

本研究の目的は,東寺百合文書の中に伝来する,光明講方算用状(1427-1532)における会計システムの変遷を実証的に解明することにあった。東寺百合文書の中にある光明講方算用状を研究対象とし、Giddensの構造化理論を基軸に、会計の社会的インパクトを考究している。見出した結論は、下記の通りである。
中世日本の仏教社会において光明講方算用状はそもそも荘園解体期に自分たちで何とか足りない資金をまかなうべく開始された貸付を可能とする媒体であった。しかしながら、不良債権の焦げ付き、再評価に加え、一時停止を経験した光明講方は1458年に光明講方算用状を通じより厳密に信用取引を記述しするようになった。結果として貸付業務の廃止を食い止め、それ以前よりも健全に継続できるようになった。つまり最終的には算用状を通じて荘園解体期の相互扶助(光明講方から資金繰りに困る他の寺内組織へ貸し付ける)という構造も維持・強化された。以上より、光明講方算用状を通じて貸付のシステムが維持・強化され、その結果、(1)光明講方という組織と他の寺内組織との関係性が崩壊する危機において会計システムが変化していること、(2)(1)より会計は組織間の関係を強化する媒体であり、光明講方算用状の分析はそれを表す一事例であることを明らかにした。
これらの結果は、会計史の国際的学術誌(査読ジャーナル)Accounting Historyで公表している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Accounting and Power in the Society of Buddhism: An Analysis of the Income and Expenditure Reports of Toji Temple, 1427-15322018

    • 著者名/発表者名
      Yumiko SANKOJI
    • 雑誌名

      Accounting History

      巻: Published online ページ: 1-26

    • DOI

      org/10.1177/1032373218793225

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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