AIの発達により、職業の多くが消滅するといわれる中、安定した分業と職業体系を見通すことが困難となり、職業「体系」の「持続可能性」はその概念自体を見直す必要がある。他方で、職業が「経済的自立の基礎」であるためには、極めて長期にわたる教育課程と正規雇用に代表される安定した就業構造が必要であるが、前者の構造化に対し、後者の不透明化(「持続可能性」の不確実化)は、一種の社会的リスクとなっている。こうした職業観の基礎にあるのは、ウェーバーの指摘する「プロテスタンティズムの倫理」による「天職」観であり、このテーマはこの古典的な成果との対決であるといえる。
|