本研究で以下が明らかになった。1)生態系サービス管理においては、生態系からサービスが「引き出される」プロセスと、サービスが分配されるプロセスは峻別する必要がある。2)制度、アクセスの権利、知識、技術、文化やそれらの未来への潜在性は、各ステイクホルダーにとっての生態系サービス管理におけるフレーミングを構成する。3)各ステイクホルダーのフレーミングによって判断される個別の合理性の将来予測(算段)は、管理システムのレジリエンスに影響する。4)持続的な生態系サービス管理のためには、そうした未来の個別的および社会的合理性を発展させるために「場(place)のマネジメント」という実践的な構想が必要である。
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