本研究は、悪化をつづけている水質を、水道システムの改善という視点から分析を行おうとするものであった。その改善策として、地下水や湧き水という有害な化学物質の含有が少ない水をどのように有効に利用するか、その方途を探る研究となった。現実に、水道局が運営するいわゆる既存の水道システムを用いていない自治体が我が国にも、少数ながら存在する。福島県川内村なや愛媛県西条市などがそうである。 それらの地域の調査を通じて、住民の生活に密着して水を有益に利用する方法を示すことができた。それは本研究者が構築してきた「生活環境主義」という方法論を適切に使用した結果でもあると位置づけている。
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