研究課題/領域番号 |
26590101
|
研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
相澤 真一 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (00456196)
|
研究分担者 |
森田 次朗 中京大学, 現代社会学部, 講師 (30732862)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 社会科学教育 / 社会調査 / 高校での教育実践 / 高校社会科 / 国際的展開 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、春学期は、高校生に社会科学教育の基礎を体験実習する機会を設けて、大学の半期分とほぼ同回数の授業を実施し、そのなかで量的調査、質的調査両者を体験させてみた。中学・高校の社会科教育と社会科学教育との接続をはかる教育実践を行うことができた。この成果については、実施高校の学校内で公開発表会を行い、一般の人々に重要性を伝える機会としても非常に大きな効果があった。その上で、この実践の報告については、年度末に、学部紀要に論文発表を行った。そのほか、平成26年度から継続して行っていた質的調査の調査方法を高校生の授業実践に組み込むことを、高校1年生ならびに高校3年生を対象とした授業において行うことにより、1年目(平成26年度)より行っている研究をさらに深めていくことができた。 また、来年度の成果の総合化に向けて、社会科学教育を統合できる視点として、カール・ポランニーの研究に高校教員と共に検討を行い始めた。具体的には、カール・ポランニーのテキストと高校の世界史、政治・経済、倫理などの教科書の記述を相互参照することにより、高校までの社会科の教育を大学以降の社会科学の教育に展開する上で、どのような点が接続しやすく、接続しにくいのか。また、どのような点において、生徒/学生が学習していく上で問題を感じやすいのかについて、これまでの実践報告も含めながら、複数回の研究会を行っている。 これらの成果を国際的な社会科学教育の発展に位置づけるために、海外での調査・発表も複数実施し、海外の研究者からも多数の示唆をいただきながら、最終年度の総合的成果の報告に向けた歩みを進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年度目、2年度目と中等教育での実践を行いながら、研究の発展を行うことを着実に遂行できることができている。最終年度の総合化に向けた研究成果を着実に積みつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度は、2年間の教育実践を総合化、理論化する方向性に重点を置く。概要にも記したポランニーの研究や高校・大学の教科書の検討を進めること、ならびに、国際的な発表機会を増やすことにより、日本でのこの教育の課題を国際的に共有することにより、推進させていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
年度末に英語論文を仕上げる予定だったものの、終了に至らず、その校閲に充てる予定だった費用がそのまま次年度使用額となった。
|
次年度使用額の使用計画 |
昨年度の予定通り、完成した英語論文の校閲費用に充てる予定である。
|