この研究は「社会デザイン」のコンセプトを学部生教育に適用し、学生たちの社会的実践に活かしていくことを目的とする。当初は、ニューヨークやシドニーの都市をフィールドとして、それを実践の手がかりにしようとしたが、学生たちの関心はライフデザイン(生活と仕事のありかた)やメディアデザイン(とりわけSNSによるコミュニケーション)に収斂していった。特に、一般企業への就職から起業にいたった学生の事例に取材することで、従来の大企業への就職による生活安定モデルが成立しなくなり、1)やりたいことを仕事にする志向、2)親しい仲間の中での承認欲求、3)1と2を結びつける装置としてのSNSの発達、を抽出できた。
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