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2016 年度 実施状況報告書

困難を抱える子どもの実態と学校・地域社会連携支援システム構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26590111
研究機関大阪市立大学

研究代表者

福原 宏幸  大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20202286)

研究分担者 西田 芳正  大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (10254450)
田淵 貴大  大阪市立大学, 都市研究プラザ, 都市研究プラザ特別研究員 (20611809)
嵯峨 嘉子  大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (30340938)
田中 聡子  県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (30582382)
山野 則子  大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (50342217)
高田 一宏  大阪大学, 大学院人間科学研究科, 准教授 (80273564)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード社会福祉関係 / 子ども福祉 / 社会的排除 / 貧困 / 教育
研究実績の概要

本研究の目的は、第一に、貧困や社会的排除が集積している地域、大阪市西成区北部に暮らす子どもたちに着目し、その居住圏における子どもたちの貧困・社会的排除の実態とその諸要因を解明するものである。あわせて第二に、居住圏において地域の民間団体・学校・行政機関が連携し、子どもとその家族に対してどのような支援ができるのか、すなわち「学校・地域社会連携支援システム」のあり方を明らかにするものである。これらは、地域社会での貧困と社会的排除の世代間連鎖を断つための自治体や国の制度づくりに寄与できるだろう。
平成28年度は3回の研究会を開催し、研究分担者からの個別的な研究報告を受けるとともに、研究協力者の寺本氏から、昨年に続き、西成区内の子ども支援の現状と課題について説明を受けた。そこでは、新たな動きとして、子ども食堂がいくつか設置され、それらが大阪市内全域にも一定影響力を持って広がっていることがわかった。しかし、中学校における学校選択制によって、中学校間の学力格差が大きくなってきていることがわかった。この課題を地域としてどのように受け止めるか、また、これに対する子どもの教育・生活支援のあり方を、再構築することの必要性が議論された。
しかし、研究代表者が所属先大学の研究科長・学部長に就いていたため、十分な調査研究を行うことができなかった。このことから、1年間の調査研究期間の延長をお願いし、認められたところである。平成29年度は調査研究の最終年度となることから、あらためてこれまでの成果を整理し、フォローアップ型の調査を実施し、報告書にまとめることにしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者の福原が、研究科長・学部長であったため、予定していた研究が大幅に遅れた。しかし、研究分担者においては、それぞれの研究課題について、着実に成果を上げることができた。
とくに田淵は、子どもの健康に着目し、T小学校の2002年からの10年間の健康調査データをもとに学業と健康との間に任意の相関関係があることを発見した。また、山野は、行政からの調査委託ではあるが、大阪市の子どもの生活実態調査を実施し、今後の大阪市の子ども施策に大きな貢献を果たすことが期待されている。また、高田は、小学校ならびに中学校の全国学力試験の成績から、この地域の学校と子どもたちの教育上の課題を明らかにすっる研究を進めている。田中は、引き続き、西成区北東部のあいりん地域にある「こどもの里」の活動について、ヒアリング調査を進めてたところである。さらに、福原は、子ども支援として今日注目されている子ども食堂の実施状況やその効果などについて、ヒアリング調査を行なった。

今後の研究の推進方策

研究代表の福原が研究科長・学部長であったことから、研究期間を1年間延長をお願いし、これが認められたことから平成29年度が最終の調査研究年度となる。
前期は、これまでの調査研究の成果を整理し、残された課題を明らかにする。これを踏まえて、夏期にヒアリング調査を実施する。これらの成果を踏まえて、後期には、報告書の取りまとめを進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度は、研究代表の福原が、所属先大学において研究科長・学部長の職にあったことから、本科研費による調査研究のための時間が十分に取ることができなかったことから調査研究が予定通り進まず、予算の執行も滞ってしまった。

次年度使用額の使用計画

上に記したように、本来の最終年度である平成28年度において調査研究を十分に進めることができなかったことから、1年間の研究期間の延長を申請し、承認された。このことから、新たな最終年度となった平成29年度において、当初予定していたヒアリング調査を実施する。また、これらの成果を取りまとめていく。予算は、これらに対して充当する予定である。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] リスク集積地域における貧困・剥奪・不健康と社会的資源による共助的支援の展開2016

    • 著者名/発表者名
      福原宏幸
    • 雑誌名

      貧困研究

      巻: 16 ページ: 22-34

  • [雑誌論文] 働く人・働きたい人の人権と社会的包摂2016

    • 著者名/発表者名
      福原宏幸
    • 雑誌名

      研究紀要(兵庫県人権啓発協会)

      巻: 17 ページ: 1-17

  • [雑誌論文] 大阪の同和地区を中心とした相談支援の現状と課題2016

    • 著者名/発表者名
      福原宏幸
    • 雑誌名

      部落解放

      巻: 722 ページ: 91-101

  • [雑誌論文] Improvement of the Work Environment and Work-Related Stress: A Cross-Sectional Multilevel Study of a Nationally Representative Sample of Japanese Workers2016

    • 著者名/発表者名
      Tabuchi, T.
    • 雑誌名

      J Occup Environ Med

      巻: 59-3 ページ: 295-303

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Educational inequalities in smoking among Japanese adults aged 25-94 years: Nationally representative sex- and age-specific statistics2016

    • 著者名/発表者名
      Tabuchi, T.
    • 雑誌名

      J Epidemiol

      巻: 27-4 ページ: 186-192

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 母子家庭の現状から看る子どもの居場所事業ーA市ひとり親家庭の子どもの 居場所事業に参加する母親のインタビュー調査からー2016

    • 著者名/発表者名
      田中聡子
    • 雑誌名

      日本の地域福祉

      巻: 30 ページ: 49-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会福祉の「対象」と子どもの貧困2016

    • 著者名/発表者名
      田中聡子
    • 雑誌名

      Int'lcowk

      巻: 72-2 ページ: 16-23

  • [雑誌論文] 家庭教育支援のためのチームづくり2016

    • 著者名/発表者名
      山野則子
    • 雑誌名

      児童心理

      巻: 1021 ページ: 59-65

  • [雑誌論文] スクールソーシャルワークからみた「チーム学校」2016

    • 著者名/発表者名
      山野則子
    • 雑誌名

      教育と医学

      巻: 2016-5 ページ: 476-484

  • [雑誌論文] 大阪市の学校選択制-揺らぐ公共性、広がる格差-2016

    • 著者名/発表者名
      高田一宏
    • 雑誌名

      教育文化学年報

      巻: 11 ページ: 14-24

  • [学会発表] ドイツにおける住宅喪失予防の取り組み2016

    • 著者名/発表者名
      嵯峨嘉子
    • 学会等名
      貧困研究会
    • 発表場所
      チェンバおおまち 福島県福島市
    • 年月日
      2016-12-04
  • [学会発表] こどもの貧困2016

    • 著者名/発表者名
      福原宏幸
    • 学会等名
      鳥取市/NPOこどもらぼ
    • 発表場所
      とりぎん文化会館 鳥取県鳥取市
    • 年月日
      2016-10-16
    • 招待講演
  • [学会発表] 生活支援、社会的居場所、就労支援による多元的なまちづくり ―大阪・箕面市での取り組みから―2016

    • 著者名/発表者名
      福原宏幸
    • 学会等名
      社会政策関連学会協議会シンポジウム
    • 発表場所
      コラッセ福島 福島県福島市
    • 年月日
      2016-05-14
    • 招待講演
  • [図書] 教育福祉学の挑戦2017

    • 著者名/発表者名
      嵯峨嘉子・関川 芳孝・山中 京子・中谷奈津子
    • 総ページ数
      284
    • 出版者
      せせらぎ出版
  • [図書] 社会福祉研究のこころざし2016

    • 著者名/発表者名
      田中聡子・大友信勝・權 順浩・船本淑恵・鵜沼憲晴
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      法律文化社
  • [図書] すべての子どもたちを包括する支援システム~エビデンスに基づく実践推進自治体報告と学際的視点から考える2016

    • 著者名/発表者名
      山野則子
    • 総ページ数
      255
    • 出版者
      せせらぎ出版
  • [図書] ミネルヴァ書房2016

    • 著者名/発表者名
      山野則子・野田正人・半羽利美佳
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      よくわかるスクールソーシャルワーク[第2版]

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公開日: 2018-01-16  

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