本研究の目的は、相談援助実習におけるOSCEの開発とOSCEの活用による教育効果の検証を目的としている。 当該年度は、OSCE実施前に行う評価者研修において、5件法による評価表を用いた模擬評価を実施し、評価者間の評価の差異を埋める方策の検討を行った。 また、引き続き相談援助実習履修学生57名を対象に、実習前評価システムの一環としてOSCEを実施するとともに、評価者及び学生を対象にアンケート調査を実施した。 さらには、OSCEの評価結果の活用実態調査を、実習指導者を対象に実施した。 また、教員・実習指導者・学生に参加いただき「OSCE成果報告会(公開講座)」を開催した。本会では、「相談援助実習におけるOSCE」の研究紹介と、OSCEの開発・実施に関わってきた教員・実習指導者から、事前教育からみたOSCE、相談援助実習で臨床参加型実習体験をさせる上でのOSCEという観点から、OSCEの内容妥当性に関する発題を頂いた。また、アセスメント報告試験問題(事例)を基に、試験問題としての内容妥当性に関する意見交換を行った。このアセスメント報告事例は、1事例A4 8頁程度のものとアセスメント解答例であるが、ジェネラリストソーシャルワーカー養成としての相談援助実習という性格を踏まえ、どの分野での実習を行う学生であっても理解する必要があるもの試験問題としての内容妥当性について実習関係三者で意見交換を行い、概ね妥当であるとの意見ではあったが、行間にある利用者と専門職の関係性や非言語的コミュニケーションの読み取りなどのアセスメントにおける重要要素をどのように示すかなどの検討課題も出された。 さらに、社会福祉士OSCEの考え方や試験項目の考え方、評価項目及び評価上のポイント。実施手順。試験項目毎に、インテーク面接とアセスメント報告の試験問題(事例)を盛り込んだ『社会福祉士OSCE』を作成した。
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