研究課題/領域番号 |
26590116
|
研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
吉田 輝美 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (90517153)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 高齢者虐待 / 養介護施設従事者 / 不適切なケア / コミュニケーション / 研修プログラム |
研究実績の概要 |
①平成26年度に全国の養介護施設従事者等に行ったアンケート調査結果をまとめる作業を行った。論文1本は現在投稿中で、査読の結果掲載可能となっている(2016年6月掲載予定)。 ②海外の高齢者虐待防止対策の事情を調査することを目的に、わが国の介護保険制度をとりいれた韓国を視察調査対象とした。韓国における高齢者虐待研修の取り組みについて、事業所等のインタビュー調査を実施した。高齢者虐待防止の韓国の取組の工夫点や課題をまとめることができた。これらは、2016年3月に研究成果としてまとめ、学会誌に掲載済みである。 ③2年目の中心的な研究活動は、養介護施設従事者等による高齢者虐待防止研修を試行することであった。研修にかんする教材を作成し、実践させてもらえる事業所として社会福祉法人1ヶ所の協力を得ることができた。高齢者虐待防止にかんするケース教材を5つ作成し、1ヶ月に1ケースづつ試行した。研修後にアンケート調査を実施した結果、試行したケース教材はおおむね高評価を得ている。 また、ケース教材による研修については、外部者からの評価を得る機会を設けた。座談会形式で講評してもらったり、専門的知識提供を得ることにより、研修プログラムの可能性を検討した。さらに、研究協力を得られた社会福祉法人より、試行研修プログラムによる職員の学びについて観察してもらい、ケース教材の評価をしてもらった。 ④3年目は、小規模事業所と実際に高齢者虐待が発生した事業所でケース教材の試行を行い、さらに人材育成のための研修プログラムの有効性について検討していきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケース教材を作成し、研修プログラム試行が順調に展開している。5ケースすべてを、同一法人内で展開することができた。 前年度のアンケート調査結果もまとめることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
試行のケース教材が、広く養介護施設従事者等によって使われるようになるために、事業所が行いやすい研修にしていきたい。事業所種別を変えて活用できるようになるために、今後は、事業所形態を変えて、本研修プログラムを導入できるように、試行していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研修プログラムの試行を2か所予定していたが、交渉の途中で1か所の協力が得られなくなったことが大きな理由である。その分を次年度に研修を実施し、データ収集する予定である。
|
次年度使用額の使用計画 |
研修プログラム試行に協力してもらえる事業所を検討し、H28年度は3か所ほど実施していく計画である。データを集め、テープ起こし等により、プログラムの改善部分などの検討を行っていきたい。
|