研究課題/領域番号 |
26590117
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
志村 健一 東洋大学, 社会学部, 教授 (20265119)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 障害(児)者福祉 / 意思決定支援 / タブレットPC |
研究実績の概要 |
本研究の目的である知的障がいのある人たちの意思決定支援におけるタブレットPC活用の有効性を検証するために、研究計画書に基づいて調査を開始した。研究初年度である平成26年度は、日本国内での、教育やリハビリテーションといった、ヒューマンサービスのタブレットPC活用の先進領域でのヒアリング等を実施した。 教育の現場においては、教育現場での活用について情報を収集するだけではなく、学校といった教育現場に直接影響を及ぼす地方自治体の教育委員会の取り組みに関してヒアリングを実施した。その結果、多くの教育実践におけるタブレットPCの有効性が報告されているが、教員による自主的な取り組みの成果であるケースも散見され、教育委員会等、アドミニストレーションの立場からも、これらの取り組みをバックアップする体制を整える必要性も明らかになってきた。 リハビリテーションの領域では、作業療法の現場において、クライエントに提供するリハビリテーションのプログラムを患者との協働作業で計画する試みが展開されている。これは、単に身体的な機能回復訓練を、やらされている感のあるプログラムから、自らの生活の中で意味のある作業として作業療法のプログラムを受けることにつながっており、患者の意思が、リハビリテーションのプログラムに反映されているという観点から、本研究における極めて重要な取り組みの聴き取りとなった。そのため、主として活用されているタブレットPCのアプリの開発責任をおった研究者、またそのアプリを開発したIT企業でのヒアリングを実施し、今後の福祉分野での活用について考察することができた。 これらの成果を踏まえ、平成27年度は海外での取り組みについて調査し、福祉現場での有効活用に関するプログラムの立案を企図する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教育現場におけるヒアリングについては、予定よりヒアリング件数が減少したが、リハビリテーション領域でのヒアリングが計画以上に進んだ。特にアプリ開発者にヒアリングしたことによって、社会福祉、ソーシャルワーク領域でのアプリ開発の可能性を考察することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は3年間の計画であり、この研究をベースにしてアプリ開発等の総合的な研究を開始する計画を企図しているが、3年間の研究計画の終結を待たずにアプリ開発等を含めた新しい計画をスタートさせる必要性が生じている。
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次年度使用額が生じた理由 |
教育現場でのヒアリングが計画通り実施できなかったため、余剰金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度以降の研究において、人件費、謝金等が発生する可能性が生じているため、それらに使用したい。
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