研究課題/領域番号 |
26590120
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
杉本 浩章 日本福祉大学, 福祉経営学部, 助教 (50449469)
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研究分担者 |
篠田 道子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (00319302)
松田 実樹 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (60635548)
上山崎 悦代 日本福祉大学, 福祉経営学部, 助教 (80711655)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 終末期ケア / ケアマネジメント / 専門職間協働 |
研究実績の概要 |
本研究計画は,3つの研究課題(IPWのための研修プログラムの開発,終末期ケアマネジメントの効果検証,終末期ケアの質の評価システム構築)で構成している.当該年度の研究実績は,そのうち「IPWのための研修プログラムの開発」にかかるものである. a.訪問看護ステーション,b.在宅療養支援病院,c.特別養護老人ホームにおけるグループインタビュー調査では,次の知見が得られた.a.構成員の熟練度により形成するチーム類型に違いがあり,それぞれの類型においてIPWを実践する上での課題があること.b.専門性を高めるための組織づくりがIPWを阻害する要因にもなりうること,c.情報共有を図る上では他職種の専門価値の理解が重要で,また,介護保険制度下では対象者のライフヒストリーを捉える視点が希薄になりがちであることがIPWを難しくしている,等である. これらの成果をもとに,「終末期ケアマネジメント・ツール」と「MDS-PC」を基盤に,「ケアの質を高める4条件」の充足に主眼を置く「IPW研修プログラム」を開発し,病院(療養病床)と特別養護老人ホームで試行した.その成果として,多職種で共有できる評価指標(「ケアの質を高める4条件」の充足度)は議論を促進し,視覚的に成果と課題を捉えられることが多職種による研修プログラムとして有用であること,等が挙げられる.他方,研修プログラムを普及させる上では,ファシリテーター養成の視点を持ちより簡便なプログラムへとブラッシュアップさせる必要がある. さらに,予備調査の精査を進めることで,「ケアの質を高める4条件」が看取りの質と関連すること,多職種でケアの質を評価することができる指標が必要であること等を明らかにし,それらの成果は「IPW研修プログラム」開発に反映させた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画はおおむね順調に進展しているが,以下の点について計画実施の先送りと前倒しを行った. まず,当初計画においては,IPW実態調査として質的調査と「終末期ケアマネジメントの効果検証」のベースラインともなる量的調査を計画していた.しかし,予備調査の精査により,本調査を実施する上での課題(特に調査手法に関する課題)が明らかになったことで,量的調査を平成27年度に実施することとした.他方,予備調査及び質的調査の成果により,「IPW研修プログラム」開発が順調に進展したため,平成27年度実施予定の計画を前倒しで実施した.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度においては,未実施となっているIPW実態調査(量的調査)を推進し,同時に「終末期ケアマネジメントの効果検証」のベースラインづくりに取り組む.また,「IPW研修プログラム」の改訂と再試行により,「終末期ケアマネジメントの効果検証」を行うための条件整備を行う.これらにより,当初2か年度における研究推進目標の達成を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
IPW実態調査及び終末期ケアマネジメントの効果検証(ベースライン調査)としての量的調査を平成27年度実施に先送りしたために生じた.調査を先送りした理由は,予備調査の精査により,本調査を実施する上で調査手法の見直し等の課題が明らかになったためである.
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に実施予定であった,IPW実態調査(量的調査)の調査費用として使用する.質問紙を用いた郵送調査にかかる費用であり,主な内訳は,質問紙等の印刷,通信費,データ入力にかかる人件費である.
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