研究課題/領域番号 |
26590124
|
研究機関 | 鹿児島国際大学 |
研究代表者 |
田中 顕悟 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (30340368)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | Military Social Work / Deployment Cycle / Military Culture |
研究実績の概要 |
2016年度は当初の計画通り、本研究のテーマに即し、自衛隊の心理専門職および地域の社会福祉専門職を対象とし、恐らく我が国では前例のない、Military Social Workに関する講演会を開催した。 講師は、Military Social Workerとしてのキャリアを持ち、2015年7月まで南カリフォルニア大学にてMilitary Social Workerの養成課程にて教鞭を執りつつ、主としてUSCの関係機関であるCenter for Innovation and Research on Veterans and Military Families (CIR)にて、責任者として研究ならびに実践活動をすすめ、現在はCohen Veterans Network(米国内25ヶ所のクリニックで主として退役軍人とその家族への支援活動を行っている団体)のCEO and Presidentとして活躍中のAnthony M.Hassan博士を迎え、アメリカのMilitary Social Workの実践状況や専門職養成(Military Culture等について)および退役軍人とその家族への支援活動の概要等について講演をいただいた。最終的に、防衛省・自衛隊関係者(臨床心理士等)ならびに大学等の研究者・社会福祉専門職・学生(学部生・大学院生)合計131名の出席が確認された。また、講演会終了後に社会福祉及び心理専門職・研究者を対象とした情報交換会を開催するとともに、講演会参加者を対象に、Military Social Workに関する意識調査も実施した。 また、2015年度の研究実績の一つである「アメリカにおけるMilitary Social Workに関する研究-Military Social Workerの意義と専門職養成-」(博士論文)を基盤に、学会報告ならびに論文投稿を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた、2014~2016年度の3年間にわたる研究計画の内、2014・2016年度の計画については概ね対応が進められているが、2015年度に実施予定としていた「沖縄駐留米軍のMilitary Social Workerへのインタビュー」については、研究者の体調不良により未実施となっていた。そのため2017年度の実施に向けて調整を進めている最中である。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、過去3年間の研究経過の最終整理を図り、最終的な報告書の作成とその完成を予定している。具体的には「Deployment Cycle Support」の支援システム・モデルの開発を進めるとともに、より現実的な支援システム・モデルの開発のために「沖縄駐留米軍のMilitary Social Workerへのインタビュー」を予定している。 現在、その実施に向けて米国のMilitary Social Workの研究者との連絡調整を進め、インタビュイーの選定ならびに依頼に関わる各種手続き調整を行っている最中である。しかしながら、昨今の国際情勢等の影響が懸念される状況と言える。 なお、インタビューの概要としては、①米国軍兵士(Service Members。以下、SM)が主たる相談者(いわゆる単身者)となる相談事例の内容とその対応・②SMならびに同居の家族が相談者となる相談事例の内容とその対応・③SMの家族(米国に滞在)に問題が発生した場合のMilitary Social Workerの対応・④自殺の事例に関する対応例(予防も含む)・⑤鬱・統合失調症等のメンタルヘルスの事例に関する対応例(予防も含む)・⑥Military Social Workerの組織内における位置づけと、上官との連携の実際と留意点・⑦米国外に滞在時に活用可能な社会資源の種類と、本国との連絡調整の実際と留意点・⑧「Deployment Cycle」に基づく支援体系について、を予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究者の体調不良により、2015年度に未実施であった沖縄駐留米軍のMilitary Social Workerへのインタビューを実施のため、旅費および機材の購入・謝礼等が必要とされるため。
|
次年度使用額の使用計画 |
インタビュー実施のための旅費・宿泊費:\250,000 / インタビュー時に使用する機材(ICレコーダー等のためのSDカード等):\10,000 / 謝礼等:\10,000 / 学会発表のための旅費:\50,000 / 書籍・資料取り寄せ費用等:\10,000 / インタビュー後の音声データ処理ソフト:\10,000 以上。
|