自動車が頻繁に通行するそばで歩行する児童生徒と高校生・大学生の自転車が交錯する地方都市をフィールドとして通行上の危険な事態に対する意識と行動を研究した.自転車の運転に関しては,危険な運転行動に対する知識だけでは危険な行動を抑制するのに十分ではないことが示された.自動車運転者を含めた研究では、歩行者のもっとも高い関心は道路環境に向けられることや歩行者と自動車運転者の双方にとって自転車は危険要因とみなされるなど,通行手段によって危険要因に対する認知の異なることが明らかとなった.通行場面の動画を見て事故の危険性を予知する実験では,慎重な人々が大まかな人々よりも正確に危険要因を指摘できた.
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