研究課題/領域番号 |
26590133
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研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
岡本 香 東京福祉大学, 心理学部, 講師 (30454292)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | CMC / コミュニケーション場面の認知 / ソーシャルネットワークサービス / LINE / 既読スルー |
研究実績の概要 |
平成27年度は、前年度に行った文献研究の結果に基づき、ソーシャルネットワークサービスの一つである「LINE」について、「LINEコミュニケーション場面認知」尺度の作成を行うことを予定していた。そのために、「LINEコミュニケーションに関する調査」を実施し、その成果を社会心理学会第56回大会、および電子情報通信学会HCGシンポジウムにて発表した。 「LINEコミュニケーションに関する調査」は、「LINE」を頻繁に用いている大学生を調査対象者とし、LINEを用いたコミュニケーションに関する自由記述を依頼した。そして得られ自由記述について、KJ法を用いて分類、整理した。 その結果、「LINEコミュニケーション場面の認知」については、「LINEを用いる目的」と「LINEでやり取りする話題」という2つのクラスターが抽出された。「LINEを用いる目的」については、「連絡」と「会話」が主であることが示された。一方、「LINEでやり取りする話題」については、「日常のこと」や「世間話」が主であることが示された。そして大学生はLINEを用いたコミュニケーションについて、具体的な目的をもって利用している様子が推察された。 また、「LINEコミュニケーションにおける既読スルーの認知」については、「既読スルーの結果生じること」クラスターに含まれる「ネガティブ感情の生起」のコメント数が最多であった。その中には、既読スルー自体に対する否定的な態度、「傷つく」といった対自的感情、「怒り」といった対他的感情、「嫌われたのではないかと不安」といった関係性を重視した感情が含まれていた。そして、大学生のLINEを用いたコミュニケーションにおける既読スルーを検討する際には、既読スルーによって生じる「ネガティブな感情」に焦点を当てることの重要性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
離れて暮らす親が突然大病を患い、その介護に時間を要したことから、予定していた研究のための時間を捻出できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
連携研究者と随時ミーティングを行い、研究の進捗状況を確認しながら、今年度中に本調査が実施できるよう、尺度作成および予備調査の準備を進める。また研究指導を受けている漁田武雄氏(静岡産業大学 教授)に積極的に研究相談をし、指導を仰ぎたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が遅れ、平成27年度に予定していた予備調査の一部および本調査を実施しなかったことにより、調査データの収集かつ分析に必要な消耗品や研究協力者謝金や研究補助者謝金を使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、前年度に実施できなかった予備調査の一部及び本調査を実施する計画であり、調査データの収集かつ分析に必要な消耗品や研究協力者謝金や研究補助者謝金を使用する計画である。
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