本研究は投資マインドを心理学的に研究し,金融商品の購買意思決定の心理過程を実証的に明らかにするものである。予備調査から,金融商品の購買意思決定過程で,個人的・社会的考慮,金融リスク認知,投資態度の3つの心理過程が見いだされた。これらを測定する金融心理尺度が開発され,その妥当性が確認された。これらの金融心理尺度のうち,投資態度尺度が各種金融商品への投資意欲に影響することが示され,フレーミング効果への影響も確認された。保険商品に関しては,自動車保険および生命保険購買時のリスク認知について,保険加入者のリスク認知の構造が解明された。しかし因子分析の結果は安定せず妥当性のある尺度開発には至らなかった。
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