本研究は、美術作品の鑑賞者の発掘を究極的な目的としている。まず第1に、デジタル化された地域文化資源の鑑賞経験が、地域への愛着と美術資源の鑑賞へのポジティブな態度を促進するかどうかを検討した。地域の文化財資源として大坂画壇を取り上げ、その作品の鑑賞前後で大阪文化と美術作品鑑賞への態度を測定した。その結果、地域の文化財資料の鑑賞は、地域への愛着と文化財資料へのポジティブな態度を促進していた。また、全国の30歳以上の男女800名を対象に調査を行い、美術鑑賞には誇示的消費的な側面があることを明らかにした。
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