研究課題/領域番号 |
26590140
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
任 龍在 群馬大学, 教育学部, 准教授 (10614604)
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研究分担者 |
高橋 甲介 長崎大学, 教育学部, 准教授 (10610248)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 重複障害 / 行動観察 / 実態把握 / 国際研究者交流 / 韓国 |
研究実績の概要 |
2015(平成27)年度は、2014年度の研究Ⅰの成果をもとに、重複障害児の心理アセスメントに用いる行動観察マニュアルを作成し、日韓の大学生20名(日本10名,韓国10名)を対象としてマニュアルの有効性を検討した(研究Ⅱ)。マニュアル内容については、本研究が進行中であるため、ここでは省略する。研究Ⅱは、マニュアル活用群と非活用群に分けて、実験とインタビュー調査を実施した。研究方法は研究Ⅰと同様であった。現在、大学生のデータ(マニュアル活用群、非活用群)と熟練教師のデータ(研究Ⅰ)を比較しており、マニュアル活用による効果を明らかにしている。現段階において断言することはできないが、本研究で作成した行動観察マニュアルは一部修正する必要があるが、その有効性については異論の余地がないと判断する。研究成果の一部は、日韓の学会などにおいて発表している。例えば、第1回韓日特殊教育セミナー(2016年1月)では、重複障害児の心理アセスメントにおける熟練教師の行動観察特性(研究Ⅰの成果)を紹介した。この発表には、日韓の熟練教師とも、重複障害児の行動観察において同様の行動特性を有することが強調された。また、この発表後の意見交換により、日韓共通の行動観察マニュアルを作成し、特別支援教育に携わる両国の教師の養成及び研修に適用することも問題がない、むしろアジア型の特別支援教育(特に,重複障害教育)を再構築するための土台になることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の異動(筑波大学から群馬大学へ,2015年4月)に伴い、研究実施環境の整備のため、研究計画は全体に予定よりも「やや遅れている」と判断している。特に、アイトラッカーの購入及び設置まで数ヶ月を要した。研究が当初計画どおりに進まなくなったことから、補助事業期間延長を申請して、2016年度完了を目指すことにした。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度(補助事業期間延長期間)までに完了する。当初の計画より1年ほど遅れることになったが、本来の研究内容に変更があったわけではないので、これまで進めてきた研究を継続的かつ着実に推進する。研究Ⅱの実験は実施済みであり、現在、データを分析している。2016年度には、日韓の大学生20名のデータ(マニュアル活用群、非活用群)と日韓の熟練教師のデータ(研究Ⅰ)を比較することで、マニュアルの有効性について検証する予定である。研究成果は日韓の関連学会で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の異動(筑波大学から群馬大学へ,2015年4月)に伴い、研究実施環境(アイトラッカーの購入・設置)の整備などのため、当初の計画に遅れが生じている。このことから、補助事業期間延長を申請して、2016年度完了を目指すことにした。また、129,917円の次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額129,917円は、主にデータ分析のための人件費として使用する。また、一部は国内の学会発表を行う出張のための旅費に使用する。当初の計画より1年ほど遅れることになったが、本来の研究内容に変更があったわけではないので、これまで進めてきた研究を継続的かつ着実に推進し、2016年度までに本研究を完了する。
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