最終年度の研究成果は、祖父母の協力者合計17名に対する面接調査を実施し、全員分の文字記録を作成したことである。協力者の居住地域別人数の内訳は、関東圏8名、関西圏9名であった。研究期間全体を通しての面接調査協力者は、合計27名であった。協力者の居住地域別人数内訳は、関東圏16名、関西圏11名であった。また孫の年齢別の祖父母協力者の人数内訳は、歩行開始期13名、思春期14名であった。 収集された面接データの一部が分析され、2編の論文にまとめられた。歩行開始期の孫を持つ祖父母世代は、彼らの子ども世代が正に仕事と子育ての両立に苦悩していたことから、子育ての役割をも担いながら人生の先輩としてサポートを継続していた。一方思春期の孫を持つ祖父母世代は、戦争体験を有する人が少なくなかった。彼らは年齢的にも人生の最終段階にはいり、懸命に世代継承性と対峙していた。 すでに実施された質問紙調査の結果によれば、親世代に協力的な祖父母世代が多かった。面接調査の結果からは当初から安定的な親子関係が維持されていたケースばかりでなく、孫の育児をめぐって葛藤が引き起こされたケースがあることも明らかとなった。
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