研究実績の概要 |
本研究は、Okamoto & Amano (2012)で示された自動的エラーモニタリングの眼球運動プロセスを解明する目的で計画された。実験パラダイムとして、Okamoto & Amano (2012)で用いたものを使用する予定であったが、実験計画の途中、Okamoto & Amano (2012)のデータを再検討した所、刺激の統制が十分でない可能性が有り、実験結果が刺激構成のアーチファクトである可能性が発見された。具体的には、自動的エラーモニタリングが生起するのが特定の刺激セットに偏っているのでないかという可能性が発見された。 そこで、眼球運動プロセスを測定する実験を行う前に、再度,刺激を統制し直した上で、Okamoto & Amano (2012)と同様のパラダイムで一致した結果が得られるかどうかについて再検討した。 大学生11名を対象者として、Okamoto & Amano (2012)と同じ実験を行った。刺激として用いた数式は、ccrrect calculation/correct response(以下、cc/cr)、inccrrect calculation/correct response(以下、ic/cr)、ccrrect calculation/incorrect response(以下、cc/ir)、inccrrect calculation/incorrect response(以下、ic/ir)の4タイプが含まれていた。実験の結果、cc/cr 915ms, ic/cr 891ms, cc/ir 977ms, ic/ir 953msとなり、Okamoto & Amano (2012)が示したincorrect calculationが含まれる式において反応時間が遅くなり、自動的エラーモニタリングが生起するという結果は再現されなかった。 2つの実験結果の不一致について、再度検証した上で、さらに検討する。
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