研究課題/領域番号 |
26590153
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
堀 匡 中部大学, 人文学部, 講師 (70512565)
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研究分担者 |
齋藤 未紀子 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助手 (20622062) [辞退]
佐藤 静香 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助手 (30344641)
池田 忠義 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (70333763)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 学生相談 / 災害ボランティア / 大学生 / 心理的支援 |
研究実績の概要 |
最終年度は,被災地でのボランティア活動に参加した学生全体に向けての支援活動を実施した学生相談機関を対象にインタビュー調査を行い,支援実施プロセス及び支援実施を促進する要因について検討した(研究2)。また,学生ボランティア派遣や現地での受け入れを支援する機関の担当者(以下,学生ボランティア支援担当者)に対してインタビュー調査を行い,学生ボランティア支援担当者という立場からの支援実施プロセス及び効果的な支援に必要な要因について調べた(研究4)。それぞれの研究の結果,共通して,学生相談機関と学生ボランティア支援機関(学内の学生ボランティアセンター等)との「連携」が効果的な支援実施において重要な要因となることが明らかとなった。 研究期間全体を通じて明らかになったことは,①学生相談機関と学生ボランティア支援機関では危惧される問題に違いが見られること,②それゆえ,学生相談機関と学生ボランティア支援機関が「連携」し,心理相談などの「個別支援」に加えて,事前教育・帰還後フォローのような「全体支援」を実施することが望ましいこと,③学生相談機関が,心理的ケアにとどまらず「学生の成長に重点を置く」という教育的な支援方針を持つことは,「全体支援」の実施や支援内容を決める上で重要な要因となること,④学生が危惧する問題は,被災地からの距離や災害ボランティア経験の有無によって異なること,⑤ボランティア経験のない学生や被災地から遠方の学生には,災害ボランティアの心構えや注意点などに関する事前の情報提供が有効な支援になりうること,⑥ボランティア経験のある学生は帰還後の振り返りの場を重視していることの6点であった。 これらの結果は,これまで散発的に実施されていた災害ボランティア学生への心理的支援において,全体的な支援モデルの枠組みと重要な関連要因とを提示したという点で一定の意義を持つ成果と言える。
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