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2015 年度 実施状況報告書

動物とのアタッチメント関係が人にもたらす利益に関する神経・生理的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 26590154
研究機関山形大学

研究代表者

藤岡 久美子  山形大学, 教育実践研究科, 准教授 (80306472)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード伴侶動物 / アタッチメント
研究実績の概要

本研究は、アタッチメント対象としてのペットが持つ情動調整機能に着目し、神経・生理学的アプローチにより検討し、動物との関わりが人の健康に対してもたらす利益のエビデンスを示すことを目的とする。
初年度行った人へのアタッチメントのスタイルと伴侶動物とのアタッチメントについての質問紙調査を、今年度、新たなサンプルで実施し分析を行った。
伴侶動物とのアタッチメント尺度は、飼い主から動物へのアタッチメントを問う項目と、動物から飼い主へのアタッチメント行動を問う項目で構成された。因子分析の結果に基づき、飼い主から動物への「近接の維持」、飼い主にとっての「安心の基地」機能、動物から飼い主への「近接の維持」、動物による飼い主への「参照」得点が得られた。相関分析の結果、飼い主からの「近接の維持」と動物からの「近接の維持」の間に、また、飼い主にとっての「安心の基地」機能と動物が飼い主を「参照」することの間に正の相関が示された。ECR日本語版(中尾・加藤,2004)により飼い主のアタッチメントスタイルを3群(安定型、回避型、とらわれ型)に分類し、動物へのアタッチメント得点を比較したところ、「安心の基地」は回避型が他の群よりも有意に高かった。「参照」においても回避型が高かったが,有意ではなかった。
以上の結果から、伴侶動物のもつアタッチメントの機能には、相互に触れ合うことによってポジティブな気分になる側面と、動物が飼い主の指示に従ったり飼い主の表情などを参照した振る舞いをすることによって飼い主を支えてくれる特別な存在となる側面があると考えられる。前者は人へのアタッチメントスタイルによる差はなかったが、後者については人へのアタッチメントが「回避型」である者ほど顕著であることが示唆された。これらの結果を踏まえて対象者の選定と手続きの精査を行い、伴侶動物を刺激として提示した際の脳波の測定の予備実験を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請時に計画していた機材の購入が、配分額では不可能であり、研究計画の変更が必要となった。

今後の研究の推進方策

配分額では購入が不可能な機材は、レンタルに変更する。使用期間が限られるため、対象者数を当初計画よりも減らす。

次年度使用額が生じた理由

申請時に初年度に購入予定であった機材をレンタルに変更するため。研究の遅れによるため。

次年度使用額の使用計画

研究の進行に合わせて機材をレンタルするため、最終年度に使用する。

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公開日: 2017-01-06  

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