研究課題/領域番号 |
26590154
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
藤岡 久美子 山形大学, 大学院教育実践研究科, 准教授 (80306472)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ペット / 伴侶動物 / アタッチメント |
研究実績の概要 |
1 ペット・友人・恋愛対象が持つアタッチメント機能の比較 アタッチメント対象としてのペットがもつアタッチメント機能が、他のアタッチメント対象と異なるかを明らかにすることを目的とした調査を行った。大学生を対象に質問紙調査を行い、回答者のうち、ペット、友人、恋愛対象がいる者を分析対象とした。各対象のアタッチメント機能の評定のために、3つの対象それぞれへの近接欲求(そばにいたい)、分離の苦痛(離れると寂しい)、安全な避難所(つらい時に慰めを得たい)、安心の基地(探索行動への後押し、存在の確かさ)、および身体的接触(一緒にいるとき身体を近づけている)について尋ねた。 分析の結果、男女ともに、分離の苦痛と身体接触は、ペットと恋愛対象が友人よりも高かった。男性では、近接欲求と安全な避難所についてもペットと恋愛対象は同等に評定され、友人よりも高かった。また、ストレスと各対象へのアタッチメント機能の関連について分析したところ、男性では、8か月以内に経験したつらい出来事(ストレスフルライフイベント)の負担感が多いほど、友人のアタッチメント機能を高く評定した。一方で、最近2か月の多忙さなど日常生活ストレス(デイリーハッスル)の負担感が多いほど、恋愛対象とペットのアタッチメント機能を高く評定していた。すなわち、日常の大変さがあるときに、ペットあるいは恋愛対象のそばにいって気持ちを落ち着けたいと感じたり、その対象の存在によって頑張ろうと思えるという傾向が示された。なお、女性では、このような関連は見られなかった。 2 ストレス課題時のペット存在の影響 ストレス課題時、ペット刺激提示時、ペット相互作用時の生理指標の測定の実験を行っている途中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
機材調達の困難さの関係で、当初の研究計画を変更せざるを得なくなったことと、突発的な学内業務により多忙になったことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
期間延長申請をしたので、引き続き実験を継続して、データの蓄積を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れによる。
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次年度使用額の使用計画 |
実験に必要な人件費、および、研究成果発表の国際学会にかかる旅費として使用する予定である。
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