本研究はアタッチメント対象としてのペットとの関わりが人の健康に対してもたらす利益を明らかにすることを目的とした。調査研究では、ペットが近接の維持(近くにいることが楽しい),分離の苦痛,安心の基地(探索の後押しをしてくれる),安全な避難所(苦痛を軽減してくれる)の4つのアタッチメント機能をもつことが示され、特に男子大学生においては日常生活ストレスの負担感が多いほど、恋愛対象と同様にペットのそばで気持ちを落ち着けたいと感じたり、ペットの存在によって頑張ろうと思えるという傾向が示された。一方、ペットとの関係から恩恵を受けられる程度は、その人のアタッチメント・スタイルによって異なることも示唆された。
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