遺伝性疾患に関わる相談者の心理的特性を明らかにすることで、相談者のニーズに添った遺伝カウンセリングを提供するための研究である。相談者の属性により多くの側面で有意な差があることが明らかとなった。筋疾患の相談者は他の疾患と比べて、疾患についての理解知識が少なく、不安が強かった。筋・神経性疾患の相談者は、将来のリスクや予後の情報提供をカウンセリング担当者に望んでいなかった。子どもが遺伝性疾患である場合、相談者は子どもの疾患に対して、不安や懸念、罪悪感を強く抱いており、将来のリスクや予後の情報提供を希望していた。今後の遺伝カウンセリングにおける心理社会的支援を充実させるために有益な情報が多く得られた。
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