本研究は、子どもたちに<こころの複雑さ><いのちの尊厳><死に対する恐怖と畏敬>を伝える“対話によるいのちとこころの授業”を開発することであった。 平成29年度は最終年度として、学会において成果を公表するとともに、完成したDVD教材を用いて、「いのちの授業」の効果や課題について議論することができた。 まず学会での報告としては、日本カウンセリング学会第50回大会において『「いのちと死の授業」とカウンセリング活動』という自主シンポジウムを行い、自殺予防やいじめの現状と支援について議論した。さらに、日本生徒指導学会第18回大会にて『「いのちと死の授業」DVDの上映と実践研究交流』というテーマでシンポジウムを行った。教材として作成したDVD『いのちと死の授業』全6巻(丸善出版)を紹介するとともに、そのDVDを用いて行った授業の効果測定について報告を行った。 この「いのちの授業」については、NPOももの木井上千恵美氏と共同で、その内容と成果分析について「いのちと向き合う生徒・教師そして私たち-いのちの授業を通して-」を『奈良女子大学心理臨床研究』に実践報告として公表した。 この研究の成果として作成した教材DVD『いのちと死の授業』全6巻(丸善出版)のうち、1巻『難病と闘って気づいたこと-今このときのいのちを輝かせるために-』と6巻『流産・死産経験者からの手紙-生まれて来られなかったいのちへ-』は、平成29年度優秀映像教材選奨「優秀作品賞」を受賞した。
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