本研究は、人が意思決定を行う際、直感的思考から判断される行動と合理的論理的思考から判断される行動が一致しないことに着目し、判断の間違いやすさや行動修正の難しさを捉えた上で、判断に影響を与える情動や内的特性との関連について明らかにしようとするものである。研究の結果、被験者の性別に行動修正に違いは見られなかった。一方で、不安感の高さや、自分自身による意思決定であるか否か、更に、信念や後悔の感情は行動修正の難しさと関連性があることが示された。また、選択行動に対するフィードバックは正しい判断へと導く学習となり得るが、行動修正が難しい場合フィードバックスルーされ学習機会の欠如に繋がることが示唆された。
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