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2015 年度 実績報告書

心拍変動バイオフィードバックは抑うつ的認知処理を調整するか

研究課題

研究課題/領域番号 26590168
研究機関愛知学院大学

研究代表者

榊原 雅人  愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (10221996)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードバイオフィードバック / 抑うつ / 心拍変動 / 事象関連電位
研究実績の概要

心拍変動バイオフィードバック(heart rate variability biofeedback: HRVBF)は抑うつに関わる不安や不眠などの改善に有効であることが示されている。HRVBFの訓練は自律神経機能を高めると考えられているが、一方で症状の緩和に関わる認知的側面の効果については検討が進んでいない。本研究はHRVBFが抑うつに関連した認知処理を調整するかどうか検討した。
平成26年度は幾何学図形に漢字二字熟語(ネガティブ語・ニュートラル語)を重ねた刺激に対する事象関連電位(Fz,Cz,Pz)を記録した(N=17)。刺激語に対するP3振幅を検討したところ、低抑うつ群(N=8)のそれはネガティブ語で大きかった。一方、高抑うつ群(N=9)は刺激の感情価に関係なく増大した。抑うつ者では課題における心的負荷が高くいずれの刺激に対しても多くの処理資源を投入していることが明らかとなった。
平成27年度は刺激の呈示法を変更して検討した(N=13)。はじめにネガティブ語・ニュートラル語をターゲット刺激とするgo/no-go課題を実施した(task1)。刺激語に対するP3振幅は抑うつ得点(BDI-Ⅱ)と正の相関を示し、かつ、ネガティブ語に対する振幅が大きかった。次に、HRVBF条件(6回/分のペース呼吸)またはcontrol条件(30回/分のペース呼吸)を実施した後、再びgo/no-go課題を行った(task2)。高抑うつ者(N=6)ではHRVBF条件でネガティブ語に対するP3振幅がtask1からtask2にかけて減衰したがcontrol条件では変化しなかった。一方、低抑うつ者(N=7)ではP3振幅の変化はみられなかった。以上の結果から、抑うつ者はネガティブな刺激に対して多くの処理資源を投入していること、さらに、HRVBFはこのような認知処理を調整する可能性のあることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] バイオフィードバックによる心拍変動の増大が脳波に及ぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      榊原雅人
    • 雑誌名

      愛知学院大学心身科学研究所紀要心身科学

      巻: 8 ページ: 9-17

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 抑うつ者におけるネガティビティ・バイアス-ネガティブ語に対する事象関連電位の検討-2015

    • 著者名/発表者名
      榊原雅人・赤嶺亜紀
    • 雑誌名

      愛知学院大学論叢心身科学部紀要

      巻: 11 ページ: 21-26

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] Effects of heart rate variability biofeedback on cognitive processing of negative stimuli in depressed individuals2016

    • 著者名/発表者名
      Masahito Sakakibara
    • 学会等名
      Society for Psychophysiological Research
    • 発表場所
      Minneapolis Marriott City Center Hotel(Minnesota, USA)
    • 年月日
      2016-09-21 – 2016-09-24
    • 国際学会
  • [学会発表] ネガティブ語に対する事象関連電位―心拍変動バイオフィードバックの効果の検討―2016

    • 著者名/発表者名
      榊原雅人
    • 学会等名
      第34回日本生理心理学会大会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2016-05-14 – 2016-05-14
  • [学会発表] ネガティブ語に対する事象関連電位―高抑うつ群と低抑うつ群の比較―2015

    • 著者名/発表者名
      赤嶺亜紀・榊原雅人
    • 学会等名
      第33回日本生理心理学会大会
    • 発表場所
      グランフロント大阪(関西福祉科学大学,大阪府大阪市)
    • 年月日
      2015-05-24 – 2015-05-24

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公開日: 2017-01-06  

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