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2015 年度 実施状況報告書

高齢超記憶力者の記憶能力と記憶方略に関する実験的検討

研究課題

研究課題/領域番号 26590181
研究機関聖心女子大学

研究代表者

高橋 雅延  聖心女子大学, 文学部, 教授 (10206849)

研究分担者 清水 寛之  神戸学院大学, 人文学部, 教授 (30202112)
齊藤 智  京都大学, 教育学研究科, 准教授 (70253242)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード超記憶力 / 加齢 / イメージ
研究実績の概要

平成27年度は、昨年度に引き続き、高齢超記憶力者の原口證氏(現在70歳)の記憶能力の特徴の解明を目的として、実験的課題の準備を行った。具体的には、原口證氏と約2時間にわたって面談を行い、現在の健康状態、通常の生活形態、などについて聞き取りを行った。その後、その内容に関して、日をあけて6往復のメールになるやりとりを通じて、補足的な聞き取りも行った。
その結果、原口氏の健康状態は肺活量のみが年齢相応である以外、骨密度、血管年齢ともに、実年齢より20歳以上、若いことが確認された。また、通常の生活形態に関しては、「確認-想像-想起」という3つの行動基準をもち、このうちの想像(イメージ化)がとりわけ重視されていることも明らかとなった。とりわけ、火をつけたガス栓などを忘れないようにするためには(すなわち展望的記憶課題では)、たとえば、点火後にテレビを見始める場合など、それで火災になった状況をイメージすることで疑似体験を行うようであった。また、曜日ごとに七つの色を当てはまることで、共感覚と同様の方法を行っているようであった。さらにまた、物事全般に関して好奇心を持つと同時に、一方向的な知識(たとえば、アルファベット順)の構造をバラバラにして再構成するという「知識の再構築」を日課にしているそうであった。
このような原口氏の生活態度こそが超記憶力を支えている根本原理であると言えよう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

原口氏と実験者とのスケジュールの調整が難しく、昨年度に遅れを指摘した展望的記憶課題(実験的課題、日常場面の記憶行動に関する日常記憶質問紙とメタ記憶質問紙の回答)、自伝的記憶課題(1970年の日本万国博覧会という社会的な出来事の記憶を含めて、過去40年間の出来事や各年代で活躍した有名人の写真を使った課題)が実施できていない。
また、昨年度にも遅れを指摘した、60歳代の研究協力者のリクルートが難しく、実験者のスケジュール調整の問題から、まだデータが取れていない。

今後の研究の推進方策

すでに原口氏には平成28年度5月の連休明けに残りの記憶課題の実施の確約を取り付けてある。また、遅れている60歳代の研究協力者のデータに関しては、研究代表者および2名の研究分担者の学部、大学院のゼミ生に協力を得てリクルートを行い、夏期休暇中にデータ収集を行うこととする。

次年度使用額が生じた理由

予定していた原口氏のデータ収集や60歳代の研究協力者のリクルートの遅れのため、これらのデータ収集に必要な金額が次年度使用額という形で残された。

次年度使用額の使用計画

次年度において、遅れている原口氏と統制群のデータ収集を行う際に使用可能である。

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公開日: 2017-01-06  

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