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2014 年度 実施状況報告書

平均・加重を越えた多要素集団の持つ魅力評価手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26590183
研究機関中京大学

研究代表者

河原 純一郎  中京大学, 心理学部, 教授 (30322241)

研究分担者 宮崎 由樹  中京大学, 心理学部, 助教 (70600873)
北崎 充晃  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90292739)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード魅力 / 顔
研究実績の概要

顔の魅力知覚に関して,2つの下位プロジェクトを実施した。1つはグループ全体としての顔魅力知覚を検討する実験を行った。構成員の顔の魅力をグループ全体として知覚してグループとしての魅力どうしを比較可能かを調べることであった。そのため,顔画像4人分を1組としたグループ画像を1組ずつ計2組呈示し,被験者にどちらの画像のグループが全体として魅力が高いと思うかを答えるように求めた。また,続く実験で,影響を与える要因を探るため,グループの人数や呈示時間の長さを操作した。4つの実験の結果,グループ間の魅力の差が小さくとも,8人組でも,グループ全体としての顔の魅力を知覚し,比較できることがわかった。呈示時間を短縮した場合も同様に,グループ全体としての魅力を知覚でき,比較可能であった。しかし,100 msまで短縮すると,比較する2つのグループの魅力の違いが小さい場合,高魅力グループが正しく正答できなくなる場合も観察された(100 msで呈示した場合の3:1条件)。また,実験間の正答率の違いから,グループ人数の増加,呈示時間の短縮が,高魅力グループを正答する確率を低減する,あるいは正答することを不可能にすることがわかった。もう1つの下位プロジェクトでは,身体動作が顔の魅力知覚に及ぼす影響を調べた。お辞儀を模した前傾動作をシミュレートするように平面顔画像を倒し,元に戻すことで,その顔写真の人物も魅力が約20%増大することがわかった。倒立顔や無意味図形ではそのような効果は認められなかった。この結果は,視覚システムが刺激を顔として知覚したときだけ社会的手がかりを好悪判断のための手がかりとして統合することを示唆している。本研究は単純な運動が劇的に魅力の知覚に影響することを初めて示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は順調に進んでおり,2篇の研究論文を刊行することができた。また,このうちお辞儀に関する研究は日本心理学会第78回大会会員集会で特別優秀発表賞を受賞した。さらに,現在実施中の衛生マスクが顔の魅力に及ぼす影響を調べた研究のうち前半部分を2014年の日本心理学会で発表したところ,特別優秀発表賞を受けることが内定した。これは本年(2015年)の日本心理学会で正式に受賞する。

今後の研究の推進方策

複数の顔画像をグループとして知覚するときの分散の効果を調べた研究は,本年度中に残りのデータを取り終えて投稿することができる見込みである。衛生マスクが顔の魅力知覚に及ぼす影響に関しては,装着者,評価者の性別の効果,色,形状の効果を検証する実験を実施する。

次年度使用額が生じた理由

グループとしての顔魅力評価実験は,予定では幅広いセットサイズ(顔画像数)を用いて,少しずつステップをずらしながら複数の実験を行うことを計画していた。しかし,実験の結果からかなり少ないセットサイズ(5)程度でも,同時にグループ化しての魅力評価が困難であることが分かったため,大きいセットサイズで実験する意義が消失した。このため,実施する被験者実験が減り,被験者費用,実験補助者雇用費用が予定額を下回った。

次年度使用額の使用計画

顔魅力評価に及ぼす装具(衛生マスク)の効果はパイロット実験を行ったところ,良好な傾向が得られた。したがって次年度ではこのプロジェクトに人的資源を多めに投入する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Effects of bowing on perception of attractiveness2015

    • 著者名/発表者名
      Osugi, T., & Kawahara, J.
    • 雑誌名

      Attention, Perception, & Psychophysics

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.3758/s13414-015-0879-4

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] グループ全体としての顔魅力知覚2014

    • 著者名/発表者名
      鑓水秀和・河原純一郎
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 21(3) ページ: 314-324

    • 査読あり
  • [学会発表] 顔の魅力に及ぼす衛生マスクの効果2014

    • 著者名/発表者名
      宮崎 由樹・佐藤 史織・河原 純一郎
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 発表場所
      同志社大学今出川キャンパス
    • 年月日
      2014-09-10 – 2014-09-12
  • [学会発表] Effects of bowing on perception of attractiveness2014

    • 著者名/発表者名
      Kawahara, J. & Osugi, T.
    • 学会等名
      Vision Sciences Society
    • 発表場所
      St. Pete Beach
    • 年月日
      2014-05-16 – 2014-05-21

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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