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2015 年度 実施状況報告書

子育ての困難に直面する家族が形成する「承認とケアのネットワーク」に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 26590187
研究機関一橋大学

研究代表者

山田 哲也  一橋大学, 大学院社会学研究科, 准教授 (10375214)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード家庭教育 / 自助グループ / 社会関係資本 / 承認とケアの社会学 / 社会的ネットワーク
研究実績の概要

2015年度には、第一に、不登校・ひきこもり当事者の家族が形成する自助グループに対する参与観察を実施した。具体的には東京都、大阪府で活動する親の会と、その全国集会(犬山市で開催された)に参加し、参与観察を行うことで「承認とケアのネットワーク」の典型的な事例を対象に、フィールド・データを入手した。また、参与観察の対象となった親の会の中心的な人物に対して、インタビュー調査を実施した。
第二に、子どもの支援をミッションに掲げる全国のNPO32団体に調査を依頼し、そのうち15団体から、1)代表者、2)スタッフ、3)子ども、4)保護者を対象に質問紙調査を実施し、そこで形成される社会関係資本の特質と機能、これらを規定する要因に関するデータを収集した。ただし、団体によっては1)~4)のうち一部のみ協力する事例もあった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では、2015年度に調査の依頼を進め、質問紙調査とインタビュー調査を実施する予定であった。申請時には「親父の会」や「子育てサークル」など、不登校や引きこもり当事者以外の親の会を対象に調査を実施することを想定していたが、協力を得られる団体を見つけることが難しく、対象者を子ども支援に関わるNPOに変更し、団体を窓口に、そこに関わる保護者と子どもに対象にデータを集めることにした。申請時の計画とはやや異なるものの、「承認とケアのネットワーク」の特質と機能を解明するという初発の課題に答えうるデータを得ることができたことが、おおむね順調に進行していると自己評価する理由である。

今後の研究の推進方策

2015年度までの調査で得られたデータに加え、可能であれば2016年度も追加の質問紙調査を企画したい。2015年度は特定の団体を対象にしたので、2016年度は保護者を対象にしたWebモニター調査を実施し、エゴセントリック・ネットワークに関わるデータを集め、これまで収集したデータを補完したい。最終年度はこれまで得られたデータをもとに研究成果をまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

申請時に調査対象として想定していた「おやじの会」「子育てサークル」など、保護者団体からの協力が得られず、2015年度は次善の策としてNPOとその利用者(子ども・保護者)を対象にした調査を実施した。そのため、当初想定していた規模よりも小さい範囲で調査を実施することになり、質問紙調査の実施・回収・データ入力にかかる費用に余裕が生まれた。

次年度使用額の使用計画

引き続き、保護者団体への調査依頼を行い、申請時に予定していた調査を実施することを試みつつ、それが難しい場合はWeb上でインターネット・モニター調査を実施し、回答者個人を起点とした承認とケアのネットワークについて把握・分析を試みる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 社会的承認のゆらぎと制度保障2015

    • 著者名/発表者名
      山田哲也
    • 雑誌名

      教育

      巻: No.837 ページ: 5-13

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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