研究課題/領域番号 |
26590188
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伏木 久始 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (00362088)
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研究分担者 |
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (20467195)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 次世代型学習 / アクティブラーニング / 小規模校の授業方法 / ニュージーランド |
研究実績の概要 |
僻地小規模校の教職員研修ないし授業研究会の指導者として、下水内郡栄村、上水内郡信濃町、木曽郡大桑村、小県郡長和町、大町市美麻および八坂地区などの小中学校に複数回出向き、深刻な少子・人口減少地域における授業づくりについて助言・指導を行い、未来型(次世代型)学習に取り組む学校現場の環境づくりを支援した。それらの概要は各校の紀要等に掲載されている。 また、ICT関連企業との勉強会や打ち合わせを重ね、従来の学習スタイルに囚われない柔軟な発想で小規模校でのICT活用授業について検討した。これらは学習モデルとして初年度に作成する予定であったが、質の高いソフトやアプリが続々と新規に開発されていることから、さらに時間をかけてICTを活用した学習モデルを開発することとした。 一方、こうした学習モデルを教員養成段階でも取り入れられるように海外の進んだ実践の情報収集にも取り組んだ。8月には別枠の研究助成経費も活用して、学生を引率してニュージーランドへ渡航し、北島オークランド市内でのユニークな学習スタイルの実践校の参観と、南島クライストチャーチ市内での短期教育実習を試行実践した。これらのニュージーランドでの体験実習の成果を「ニュージーランド学校臨床実習」としてプログラム化(仮案)した。クライストチャーチ市内の学校で実践されているアクティブラーニングに関して、その授業方法論と教師の役割を考察し、学内の学生を対象にオープンゼミを開いた。こうした取り組みは、長野県とも連携した事業に繋がり、平成27年5月19~20日の「ニュージーランド教育フェアin長野」というイベントに発展し、ニュージーランドからの教育関係者を招いた協同シンポジウムを実現させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、1年目にクラウドを利用した双方向型の未来型学習モデルを具体化し、2年目は長野県内の僻地校に勤務している小中学校の教員(研究協力者)に,ICTを活用した学習モデルを実践してもらい、3年目に「指導の手引き」を製作するとしていた。 しかし、僻地小規模校での人事異動が予想以上に多く、研究組織体制の再構成に時間を要したことや、実践研究に活用するICT関連ソフトの開発が急速に進化したことから、未来型学習モデルの作成に更に時間をかけることとした。 ただし、当初計画に対するこの遅れは、研究成果を高めるためにはむしろ妥当な計画変更であり、2年目となる平成27年度と平成28年度の取り組みにより、目的を達成することは可能である。
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今後の研究の推進方策 |
2年目となった平成27年度は、4月~5月に実践研究を行う予定の学校との連携協議を行い、6月には「次世代型学習を考える会」を発足することになった。 8月にはニュージーランドへの10日間の研修に出かけ、9月にはデンマークへ10日間の研修を計画している。これら海外の学校現場でのアクティブラーニングを参考に、未来型学習モデルを複数パターン構築し、11月~1月の間に試行実践を行う。 長野県内の僻地校に勤務している小中学校の教員(研究協力者)に,ICTを活用した学習モデルを実践してもらい、3年目には「指導の手引き」を製作するという計画は予定通り遂行する。 課題としては、学校現場で試行実践を依頼するにあたり、当初計画よりも協力校が増えたために、タブレットPCの数が足りないことであるが、某企業との提携により、リース契約ないしモニター契約をして端末を調達することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画では初年度に予定していた学習モデルの構築が次年度に延期になったため、学習モデル開発のための教材費、調査旅費、指導謝金等を次年度に繰り越すことにした。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し分の56,000円は、2年目となる平成27年度予算の1,200,000円(そのうち人件費・謝金は250,000円)に合算して、ICT技術の専門家と教材関係業者の助言をいただくための謝金等として使用する。
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