研究課題/領域番号 |
26590189
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
夏目 達也 名古屋大学, 高等教育研究センター, 教授 (10281859)
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研究分担者 |
中井 俊樹 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 教授 (30303598) [辞退]
澤野 由紀子 聖心女子大学, 文学部, 教授 (40280515)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 継続高等教育 / 社会人の学び直し / 高等教育 / 生涯学習 / 継続教育 / 成人学習 / 国際比較 / 公開講座 |
研究実績の概要 |
本研究では、以下のような目的を設定した。①高等教育機関における社会人の学び直しに関する日本と主要国の制度や政策の概要や特徴を解明する、②日本と諸外国の高等教育機関における社会人受け入れ状況・教育プログラム等の状況につき調査する、③社会人の学び直しの促進・支援に必要な施策・条件の整備方策、高等教育機関における指導・支援のあり方について検討する。 日本では文科省を中心に生涯学習政策が促進されてきた。多種多様な教育機関・施設が設置され、社会人向けに学習の機会を提供している。近年、「社会人の学び直し」を政府が重要施策に位置づけ推進している。これらの施策を受けて、何らかの生涯学習に参加する社会人は多いが、高等教育機関の正規課程に在籍する社会人は少ない。それがなぜなのかの解明に努めた。 本研究では、まず日本において、生涯学習が文科省等により政策的に重視されながらも、高等教育機関で社会人の学び直しが普及しない理由について、文科省の担当官に対するインタビューや各種の政策文書の分析を行った。また、社会人学生の受入で一定の実績を有する大学について、担当者にインタビューを行った。次に、諸外国の社会人学び直し促進に関する制度と政策の状況を調査した。 調査を通じて以下の結論を得た。①諸外国では有給教育訓練休暇制度を整備するなど、社会人の学び直しを支援する制度がある、②財源として公財政による補助金のほか、国により企業等に拠出金を課している、③公的職業資格や学位等の学習成果が公的に認定される制度を整備している、④これらにより軽い経済的負担で就学でき、学習を通じて社会的経済的地位の向上が期待できるなど、学び直しを促進する条件が整備されている。⑤日本では多くの場合、企業等からの就学支援はなく、就学による経済的地位向上の保障もない。⑥今後、学び直しを普及させるためには、社会的に条件整備を行うことが不可欠である。
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