研究実績の概要 |
本年度は最終年度として、研究の進展を図るとともに、そのまとめと研究成果の公表を行った. まず、授業研究と質的研究との関わりや相互に貢献しあえる点について ①.文献による検討、②.研究分担者と研究代表者による資料に基づく討議、③.国内外の授業研究者や質的研究者との意見交換、④.研究分担者の主催する授業観察と授業分析のための小学校での宿泊型集中講義(教育方法実習 2016.5.31-2016.6.3 岡崎市立宮崎小学校)に参加しての授業研究の全過程の観察と質的研究との異同についての検討、⑤.モンゴル(ウランバートル市内2校とチョイル市内1校)での授業研究への参加と質的研究の導入の可能性についての提案と検討、⑥.モンゴルから 2016.1.29-2016.2.2に来訪したモンゴル授業研究会MALS (Mongolian Association of Lesson Studies)のメンバーとの協同討議等、を行った. また、本研究について、英国エクセター大学で開催された授業研究に関する国際学会 WALS (World Association of Lesson Studies 2016.9.4) (Otani, Shibata, 2016)とモンゴルでの授業研究の学術集会MALS (Mongolian Association of Lesson Studies 2016.10.23)(Otani, 2016)で発表し討論を行った. なお、質的研究と教育実践についてとくに強調した論点を有する論文(大谷, 2016)を学会誌に執筆し公表した. なお、質的研究から授業研究への貢献として、極めて実践性の高い成果が上がっている.それは、臨床研究のリサーチクエスチョンの設定規準である「FINERクライテリア」の授業設計・評価の際の、教材の選択や授業の設計に関する評価規準としての活用である.
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