授業改善や教師教育のために国際的に普及している授業研究を、質的研究方法論を用いて、教育研究手法として再構造化し体系化する研究を行った結果、以下が明らかとなった.(1)授業研究は質的研究の特別な形式であると認識できること.(2)そのため授業研究は、①研究目的の設定、②研究デザイン、③データ採取、④データ分析、⑤理論化、の5段階に再構造化できること.(3)その各段階と⑥概念的・理論的枠組みの利用、⑦結果の表象方法に質的研究方法論の知見が有効に活用できること.(4)今後、両者の固有性と共通性とをさらに検討し、両者の交流と成果の共有を行うことが、世界共通の教育研究言語としての授業研究に必要であること.
|