研究課題/領域番号 |
26590192
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
冨田 福代 大阪教育大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40369591)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教師教育 / 高度専門職業人養成 / 大学教員の資質 / 理論と実践 / 実務家教員と研究者教員 / 教職大学院 |
研究実績の概要 |
本研究テーマである「高度専門職業人養成の教師教育における大学教員の資質要件に関する研究」を策定した段階の状況からいくつかの点で変化があり、1年目はその実態確認も含めて研究内容を修正してマクロ的アプローチで取り掛かった。本研究の基盤である「理論と実践」の問題は、教職大学院をはじめとした教師教育分野といった限定的な大学教育の範疇だけでなく、高等教育研究分野からも、大学教員一般に大学組織として明確に「研究と教育」の両機能を養成する動きが出てきたことである。教師教育も大学教育の専門教育分野のひとつであるという認識に立つと、教師教育に携わる教員には専門分野に特化した資質能力の前に、大学教員一般に求められる「研究と教育」に対応する能力が求められる。本研究は全体の研究計画を修正してメンバーでの議論を進め、メンバーの勤務大学での状況を整理するとともに、国内外の大学教員の資質能力に関する先行研究調査と資料の収集と必要な訪問調査を行った。 関係の取り組みが確認できる大学を対象にして、以下のように訪問調査及び資料収集を行った。「研究」中心の総合大学がほとんどのため、プログラムのカリキュラム内容は全体的に「教育」に重点が置かれている。 訪問調査:東北大学高等教育開発推進センター、収集資料「研究大学における大学院教員の能力開発の課題」、2010年、「教員準備プログラム」関連資料、「新任教員プログラム」関係 他多数。 資料収集:名古屋大学高等教育研究センター実施プログラム関係他 研究代表者の別プロジェクトでの関連訪問調査:①東京大学、収集資料「フューチャーファカルティプログラム」関係他、②イギリスUniversity of Oxford、収集資料「MSc in Teacher Education」関係他。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プロジェクト計画時点からいくつかの状況変化が確認されたため、実施計画の修正を行った。まず、当初計画から配布予算が大幅に減額されたため、経費がかさむ訪問調査を最小限とするため、まずテーマに沿って課題と現状の再確認を行い、文献やインターネットによる資料収集を中心におき、1年目の訪問調査も国内に変更した。また、高等教育研究分野を中心に、総合大学の学内向けの大学教員対象プログラムの開発が進みつつある実態から、大学教育における教師教育の座標を俯瞰する視点から調査をスタートした。なお、当初予定の教職大学院25大学のアンケート調査は、2大学の新設と教員養成における大学院の教職大学院一本化の動向を見計らい、時期を遅らせて2年目に実施することとした。 調査結果および収集資料の整理やアンケート内容の検討が年度をまたぐことになったため、研究計画の修正を踏まえた内容における達成度は結果的に遅れ気味となった。2年目の取り組みで調整を図っていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の今年度は、6月7月分担して国内訪問調査、6月アンケート内容確定およびメールにてアンケート実施、7月アンケート集計、9月日本教師教育学会発表、10月韓国調査、2月シンガポール調査を予定している。そのために準備を含め具体的なスケジュールと分担を決めて進めている。調整及び変更の必要性が発生した場合は、その都度メールで連絡および相談することになる。訪問調査の統報告書フォームを作成し、その都度記入して整理してメールで共有していく。 当初計画からの主な変更内容として、海外訪問調査先をヨーロッパからシンガポールおよび韓国とした。主な理由は、①予算額の減額により経費が低いアジア2か国に変更したこと、②シンガポールは教員養成を1機関で行い、またイギリスとの関係も強く、調査先として同程度の成果が期待できること、③韓国は教職大学院制度を25年からスタートさせていることの3点が挙げられる。なお②③は、この間研究代表者が別プロジェクトで収集した情報によって確認されている。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画内容の修正を行い、海外調査を2年目に実施することとしたため、その分の予算を2年目に残した。
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次年度使用額の使用計画 |
海外調査として、11月に韓国と2月にシンガポールを予定しており、予算執行は適切に行うことができる。
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