第一に、植民地朝鮮への「御真影下賜」について、時期と学校種を区分して詳細に調査、分析し、その背景について徴兵との関連から考察した。第二に、朝鮮における「不敬事件」について、日本内地との相違に注目しつつ明らかにした。第三に、「皇国臣民の誓詞」について、先行研究にはないアプローチ(とくに「声の1回性」)に着目して、それがもたらす教育実態の仮構性、危うさを明確化した。第四に、一般に完成せずに終わったとされてきた扶余神宮(忠清南道)について、1940年代の青年の動員を切り口として分析を試みた。いずれも「挑戦的萌芽研究」の目的にかなう成果と考える。
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