本研究では、2015年に全国の高校校長と教員を対象に質問紙調査を実施した。2004年データとの比較から、以下の知見が得られた。第一に、社会の多様な現実と向き合い、他者とともに社会を創っていくということが軽視される傾向が強まってきた。第二に、校長も教員も自律性をより軽視するようになってきた(とくに中堅教員)。第三に、教員は生徒と深くかかわる余裕をなくしつつある。最後に、これらの傾向には教員の多忙化が一定程度影響を及ぼしている。一連の変化は、〈一元的操作モデル〉が浸透した結果であり、今後さらなる悪循環が懸念される。事例研究によれば、〈多元的生成モデル〉は重要なオルタナティブとなり得ることがわかる。
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