研究課題/領域番号 |
26590203
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
大谷 剛 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (70605641)
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研究分担者 |
後藤 達也 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (50339610)
藤井 陽一朗 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (80635376)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 実験経済学 / 教育経済学 / 教育効果の測定 / 教育手法の開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学での導入教育、すなわち高校を卒業したばかりの大学新入生に対する教育の在り方について検討することである。特に経済学の分野では、入学直後から数理的なモデルを用いて抽象的な議論を学習することから、この種の議論に慣れていない新入生が講義に付いて行けなくなるケースが多い。したがって、彼らに対する効果的な教育方法を確立することは喫緊の課題である。したがって本研究では、近年の実験経済学の手法を取り入れた学生参加型導入教育について検討すると共にその成果を定量的に測定する。 これまでの研究実績は、以下のようになる。本研究では、(甲)実際に財の取引実験に参加しながら経済理論を学習するグループと、(乙)従来型の座学により経済理論を学習するグループの比較によって目的に接近するが、まず、両グループへの講義内容と水準を検証すべく、先行研究のサーベイを実施した。たとえば、Bergstrom and Miller (1999) は、売り手と買い手に情報の格差がある非対称情報下での中古車市場を実験テーマとして挙げているが、導入教育でこの内容を扱うにはかなり高度な予備知識を要求されるため適切とはいえない。そこで、国内外で出版されている経済学入門書も活用することにより実験内容と水準を吟味・設定した。 以上の考察を踏まえ、2015年度以降の本格的実験の実施に向けて、学生を被験者とした予備的実験を実施した。本格的実験と同様に被験者たる学生は、財の取引を実際に行うことを通じて経済学の基本的な構造を学ぶグループと、同じことを従来型の座学で学ぶグループに分けられた。予備的実験より得られた情報はデータセット化されたのみならず、このデータセットを活用した若干の統計的分析も実施し、結果を学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年度に計画していた主たる研究内容は、先行研究のサーベイを通じて実験内容を吟味することであった。「研究実績の概要」に記したように、この種の研究は既に終了しているのみならず、H27年度に実施する予定であった研究にも部分的にではあるが取り組んでいる。また、学会報告についても実施した。 以上より、現在までの達成度はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
他の箇所で述べたように、当初H27年度に実施しようと考えていた研究の一部は実施済みである。それゆえ、H27年度以降については当初の計画枠組みにしたがいながらも、以下のように研究を推進していく予定である。 まず、H26年度に実施した予備的実験について検証することにより、実験を行う上での問題点や課題を洗い出したい。また、予備的実験より得られたデータの分析を一層推し進める。これら作業より得られた知見を活用しつつ、H27年度はより本格的な実験を実施する予定である。また、そこから得られたデータを活用し、本研究の最終目的である教育効果の測定を目指す。もちろん、研究成果を学会報告や論文を通じて公表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は学生を被験者とした実験を行うため、被験者に支払う謝金が必要である。これにあわせて、実験で収集したデータを解析するために、専門のソフトウエアならびに関連書籍がの購入が必要である。 分析した結果をまとめて、学会発表を行うための旅費が必要である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は前年度にサーベイした分析手法にもとづいて、学生を被験者とした経済実験をおこなう。実験を円滑に進めるためには、複数回の予備実験をおこなうことで実験の精度を高めておく必要がある。収集したデータを分析して、論文として国際誌に投稿することを目指す。これとあわせて国内外の学会で発表することで、本研究の意義を内外に広く知ってもらうことにも力を注ぐものとする。
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