研究課題/領域番号 |
26590211
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
園山 大祐 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80315308)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 留年 / 中途退学 / 早期学校離れ / 早期離学 / 進路 / 教育社会学 / フランス |
研究実績の概要 |
今年度は、移民、庶民(貧困)層を対象に留年、進路、就職に関してデータの収集および分析をおこなった。そのデータ分析をもとに日仏教育学会に口頭発表をして、その内容を年報に論文としてまとめた。さらに、一般公開に向けた刊行(勁草書房および明石書店)を準備をしている。 フランスの学力困難な児童生徒は小学校において留年がはじまり、中学で学力格差が拡大し、高校の進路指導において職業系バカロレアコースに振り分けられていく状況がある。その後の就職状況、離学後3年以内の就業状況(失業含む)においても最終学歴の効用がみられた。とくに、小学校の初期段階からの留年が、早期離学者、失業者にみられることから移民という出自、経済的な困難層ということ以外に、早期の留年対策が必要であることが明らかとなった。 一年目に明らかにした早期離学対策の重要性とあわせて、初等教育段階における学業困難児童への対応、教育実践方法の検討が必要とかんがえる。一年目の早期離学対策とその状況については、『排外主義を問いなおす』(勁草書房)においてまとめた。後者の初等教育段階の問題、および移民の学業達成の問題については、『教育の大衆化は何をもたらしたか』(勁草書房)にまとめた。 最終年度においては、そうした早期離学対策および初等・中等教育段階における留年対策について検討を行ってみたい。5月、10月および12月にそれぞれフランス人研究者との研究交流を通じて明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたデータ収集は中学校の特殊学級、課程を除いて順調に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
留年者が最も多い中学校の特別教育課程SEGPAに関するデータ収集が難しいが、フランス人研究者との交流を通じていくつかの論文(2次資料)をもとに分析していきたい。 また留年者の一部なす移民の現状と課題についてさらに分析をくわえ、学業困難な児童生徒の対応についてまとめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度のパリテロ事件をうけて、パリ調査を自粛したため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、昨年度のパリ爆発テロ事件により海外渡航を自粛した分、5月の学会に出席し、情報交換を行い、必要なデータの収集を行う。また必要な文献資料を購入する。可能であれば再度年度内に、データの収集、研究者からのレビューを受けに渡仏調査を実施する。
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