研究課題/領域番号 |
26590216
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田尾 周一郎 九州大学, 基幹教育院, 助教 (20404121)
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研究分担者 |
副島 雄児 九州大学, 基幹教育院, 教授 (10206675)
木村 拓也 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40452304)
林 篤裕 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70189637)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | テキストマイニング / 教育調査法 / 教育プログラム評価 |
研究実績の概要 |
本研究は(1)これまで文書として蓄積されてきた学習ポートフォリオをテキストマイニングを用い計量的に分析可能なものにする(2)GPAや習得単位数など量的指標のみではわからなかった学生の成長の分岐点を、面接などの質的な分析ではなく、計量的な方法で明らかにする(3)学生当人の成績評価や、教員の授業改善だけに役立つといった従来の学習ポートフォリオ観から、教育プログラム評価にも利用できる新しい学習ポートフォリオ観へ発展させること、を目的としている。 研究2年目となる平成27年度は(2)に関して初年度に試行した分析成果やそこから判明した限界について大学教育学会で発表した。注目すべき結果としては、入試時に国際・社会・文化・地域といった抽象度の高い語彙を用いている学生がジェネラリスト型の履修をしていることである。また計画書・報告書に書かれる字数の少なさや内容の偏りにより、こちらの意図するカテゴリーが収集できなかったことも課題としてわかった。(3)に関しては、21世紀プログラムの自己点検・評価報告書を作成し、外部評価(5年毎3回目)を実施した。自己点検・評価報告書を作成する際に行った分析を集約した論文は基幹教育紀要に掲載された。(1)に関しても新たに2学年4年分の学習ポートフォリオを電子化し、分析可能な形に成形している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初の分析結果を公表できたことや、さらに精度を上げた分析のため文字データ量を倍増させたことが第一にあげられる。さらに21世紀プログラムで実施した自己点検評価に向けて、実践に即した分析を数多く実行した。このようにプログラム評価という観点でも順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度はクラスター分析、主成分分析、多重対応分析などの高度な多変量解析を実施していき、多変量の関係から学生の成長メカニズムを可視化することを試み、最終報告書を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
電子化で今年度予定額より多く支出したが、前年度繰越分を全て使用するまでには至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
予定していた文字情報の電子化は完了したが、使用額に余裕があるため追加の電子化を行う。旅費や報告書作成のための支出は当初計画通りとする。
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