研究実績の概要 |
本年度(最終年度)の研究実施計画では、沖縄県八重山地域(石垣市、竹富町、与那国町)における公立小中学校の児童生徒数の推移を予測する修正モデルを構築することが目標であった。当初は、人口の自然増加と社会増加を分離してコホート要因法により島ごと・学校ごとの予測を行う予定であったが、1島1小中学校の場合は人口が過小で偶然変動が大きいこと、また、1島に複数の小中学校が置かれている場合は学区ごとの人口変動を確定するのが難しいことなどにより、過去30年余にわたる市町別の児童生徒数推移のデータに曲線を当てはめ、最適解を得ることで代替した。その結果、児童生徒数の今後数年間の動向を90%前後の寄与率で予測することができた。さらに、地域や学校ごとの予測を教育関係者に示す目的で、調査対象とした34小学校及び20中学校について、立地条件、学校及び学級規模、教員数、直近の児童生徒数とその変化を変数とした2段階クラスター分析を行い、小学校を3グループ、中学校を2グループに分け、それぞれの学校群の特徴と今後の課題(過小規模校の持続可能性、学校改革、地域との連携、広域的な支援など)を検討した。さらに、この結果を国際学会において発表し(Keynote lecture at the Asian Research Conference of Human Services Innovation, 2015年12月)、参加した研究者との間で意見交換を行った。
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