① グローバル化した世界における人材像について、諸外国でもグローバル・マインド・セットとグローバル・コンピテンスの側面からアプローチ、その内実を多様な形で表現し、グローバル人材育成に、高等教育のみならず中等教育においても積極的に取り組まれている。大学・大学院においては特に学び直しの機会の提供や優れたプログラムの提供により、自国民のみならず海外からの留学生のニーズにも応えることとなっている。 ② 欧州におけるエラスムス・ムンドス事業における海外の大学との連携による共同学位プログラムの開発・展開はまさにグローバル化する時代における高度人材育成の先端的プログラムであり、世界から多くの留学生を惹きつけている。またこうしたプログラムの対象は、学部卒業生ではなく、すでに社会で働く者も多い。また高等教育の機会を得ることができなかった人々へのSecond Chance Learningとして門戸を開くプログラムも技術革新やグローバル化する時代が求める人材育成という趣旨から、たとえば豪州やニュージーランドなどにおけるBridging Programsや米国におけるCommunity Collegeプログラムの開発(託児プログラム、地場企業の要請に基づく教育課程の開発など)も積極的に行われている。 ③ 生涯を通じたグローバル人材育成方策については、初等中等教育におけるグローバル・シティズンシップ教育の充実、外国語教育の徹底(英語圏でも英語以外の外国語教育の必要が提唱される)、海外研修・短期留学プログラムの充実などが重要であり、高等教育においては国民の大多数が短期高等教育を受けれるようにし、国民の国際的教養の高度化をはかり、グローバル人材育成としては、海外の大学との共同・連携型教育プログラムを積極的に開発・実施する方策が重要である。
|