研究課題/領域番号 |
26590226
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
村田 育也 福岡教育大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80322866)
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研究分担者 |
阿濱 茂樹 山口大学, 教育学部, 准教授 (00361973)
河野 稔 兵庫大学, 健康科学部, 准教授 (40330500)
長谷川 元洋 金城学院大学, 国際情報学部, 教授 (80350958)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 情報モラル教育 / 情報モラル / ダンバー数 / 社会性 / 責任能力 / 授業実践 |
研究実績の概要 |
本研究における2年目の研究目標は,子どもの社会性と責任能力の発達に着目した情報モラル教育の内容と方法の策定であった.研究を進めるうち,内容によって進捗の差が生まれたため,進みやすいものは進め,進めにくいものについては時間を取って研究分担者と協議しながら進めた. 先に進めた内容としては,情報モラル教育の内容と方法の策定を部分的に行うことができたので,それに基づいて行った授業実践研究をあげられる.小学6年生に対する匿名でのコミュニケーションに関する情報モラル授業を2時限で2学級に実践した.また,子どもの社会性と責任能力の発達に着目した情報モラル教育を計画する上で,人間に対する影響に着目した情報メディアの8つの特性が重要であることがわかり,これに関する研究を先に行うように変更した.この成果に基づいて,大学4年生の教職実践演習と教職大学院での現職コース院生の演習授業でコラボレーションして,情報モラル教育の授業計画を作る授業を行った. 進めづらいため協議しながら進めている研究内容には,ダンバー数に関するアンケート調査がある.今年度3月に福岡教育大学で実施した打ち合わせ会議で,アンケート項目を協議し直して決定することができた.これを用いて最終年度に調査及び分析を行う. また,情報収集に関しては,初年度と同様に,日本教育工学会,教育システム情報学会,日本情報科教育学会などの学会の全国大会や研究会に参加して,最新の情報モラル教育の動向と授業実践例を知るとともに,教育現場での課題の把握に努めた. 研究代表者及び分担者による研究打合せは,通常はグループウェアを用いて頻繁に行ったが,時間をかけて議論をする必要が生じたことから,昨年9月に電気通信大学で行われた日本教育工学会を利用して研究代表者と分担者全員が集まって協議し,また 3月には福岡教育大学に全員が集まって2日間に渡って研究打合せを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に,研究代表者が北海道教育大学から福岡教育大学に異動となったこと,交付内定通知時の通知に従って,本研究におけるアンケート調査及び授業実践に関して本学研究倫理委員会で審査を受けていたことから,本研究の開始が約4ヶ月遅れ,それが2年度にまで影響した.特に,子どもに対するダンバー数調査では作成した質問文に見直しが必要となったため,3年目にも引き続き調査及び分析を行うこととなった.しかし,その他の内容については,進められることは進めており,子どもの社会性と責任能力の発達に着目した情報モラル教育の内容と方法を策定するために必要は情報メディアの8つの特性を整理することができ,またこれを用いた授業実践を小学校と大学及び大学院で行うことができた.この点においては,計画より進んでいるといえ,総合的には予定通りの達成度とみなすことができる.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度における研究内容は,大別すると3つある.1つめは,後回しにしたダンバー数調査研究である.これについては修正した調査用紙を作成済みであるので,調査可能な学校等を選定して実施し,集計・分析を行う.2つめは,教材の作成である.本研究で提案する情報モラル教育を,小中学校で実践する際に役立てられる小冊子教材を作成する.3つめは,前年度に実践した授業について,記録データを分析して,研究報告として発表することである.
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次年度使用額が生じた理由 |
教材を作成するための予算15万円を2年目から3年目に移行させたために使用残額が生じた.教材作成の予算を次年度に繰り越した理由は,研究を進めるうちに,子どもの発達段階を考える上で,情報メディアの8つの特性を整理することが重要であることに気付き,その作業を先に進めたためである.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は,繰り越した予算を用いて,本研究で提案する情報モラル教育を,小中学校で実践する際に役立てられる小冊子(教材集)を作成する計画である.
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